突板は木材を薄くスライスしたもので、薄いベニヤに貼って家具や建具に利用します。国産の突板を探す中で出会ったのが奈良県の竹田木材工業さんの竹!の突板でした。
2019年の11月のことになりますが、奈良県の桜井市にある竹田木材工業所さんを訪れました。建具や家具の面材に使う突板は外国産の輸入木材から作られていることが多いように感じ、国産の木、さらには産地の分かる木を使った突板を探す中で、思いがけず竹の突板に出会いました。
国産の竹で突板を作っているのは竹田さんのところだけ(中国産が多いそう)だそうで、竹田さんからいろいろな話を伺いしました。
竹は高知の竹だそうです。高知で竹は集成材のような板材に加工され、それが岐阜にある工場でスライスされ、奈良の竹田さんのところでさまざまな製品になります。家具とか建具で使用したいと思って訪れたのですが、床材や天井材など、さまざまに利用できそうでした。
突板を見に行ったのですが、竹の集成材の方が無垢の量感を感じる魅力あるものでした。特に床材は良い感じでした。高温で特殊な処理をすると濃い色にすることも可能だそうで、面白い材料だと改めて感じました。
繊維の方向によって見え方が変わるのですが、繊維に垂直な方向の断面が見える細かいラミナを接着した板はとても面白い表情を持った材料でした。今回は普通に竹の突板を塗装して家具の面材に使うことになりそうですが、竹田さんはいろいろな実験をされていたので、いつか面白いものを作れたらいいなと思いました。
竹は山から得られる材料としてさまざまに利用されていましたが、近年は使われることも少なく、竹が山に増えて困るという話も聞きます。建材としては加工に手間がかかるそうなので、なかなか難しい材料ではありますが、うまく利用していきたいと思います。