三重県産の広葉樹を活用してみた

三重県鈴鹿市の中勢自動車学校二期棟では、ちょっと異質なケヤキの木製建具をつくりました。事務員さん達がお昼を食べる食堂の扉ですが、これがなかなかの難易度だったようです。

設計の時点でこの扉だけ他の木部との関係が薄いことに気がついたので、少し異なった趣にしてみようと思いました。

建物の構造材や内装、建具の材料は基本的には三重県産のスギ、ヒノキなのですが、この食堂の扉は三重県産の広葉樹と樹種の幅を持たせて指定しました。

そして現場に入って、まず建具屋さんから予想通り、「手に入りません」と連絡がありました。まあまあ、ここは想定内。

そこで、構造材などの手配をお願いした材木屋さんに聞いてみたのですが、こちらでも「なかなか難しい」という返事。もちろん見積もりの時点で相談はしていたのですが、その時はまあなんとかなるでしょうと楽観視していました。。。

「いや、どこかの倉庫に少しくらいないですか?もしくは、銘木屋さんが持ってるはず!」と言ってみると、、、いくつか当たってくれると応えてはくれました。期待はしないで欲しいと添えて。。。

広葉樹とはケヤキの他、例えば、ナラ とか、サクラとか、クリとか、カエデとか、カバなんですが、まさか三重県に1本もはえてないのですか!?と少しキレ気味に聞いてみると、もちろん山には生えてると思いますが、建材や建具として使えるように製材されて、乾燥したものがないのだということでした。

なるほど、材料としてのストックがないということだったのか。

確かに銘木屋さんが持ってそうなケヤキの一枚板のようなものをわざわざ建具用に小さくカットするというのも、金額的には全く合わなくなるということで、、、結果「ない」という返事になるのですね。

最終的には男気でケヤキを用意して頂いたのですが、これが見るからになかなかの曲者。

さっそく、反ってました。。。

しばらく様子をみながら可愛がってもらおうかと思います。

あとで話を聞くと、レールを埋めこむ100角の材がなかなか見つからなかったとのこと、そこまで大きい材の必要はなかったので、言ってくれれば良かったのですが、迫力あるので良しとします。カッコ良い扉ができました。

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