建築でつなげること

建築は、一般的には建物を作る行為のことを言いますが、architecture=建築、を広義に捉えると、建築は建物を建設するだけでは留まらないようです。つまり、建築家が建築をする人という意味であるとすると、建築家の職能は建物の設計するだけではないことになります。

建築家は建築物ですら一人では建てる事ができません。少なくとも施主(建て主)と施工業者、建築家の三者がいないと建てられません。建築家はこの三者の共同プロジェクトをうまく進めていくことで初めて建物を作る事ができます。

建築家に必要とされる能力は、建築物を設計する能力だけでなく、多くの人が関わるプロジェクトをうまく進めていく能力でもあるのです。

このように考えると、建築家が関わることのできるプロジェクトは建築物の建設だけではないということになります。

建築家一人では作れない建築は、無数のものの集合体にすぎません。建築は人と人、ものとものをつなげる媒体であると考えることもできます。アウトプットとしての建築物を作ることによって、たくさんの「人」と「もの」のつながりを作ることも建築家にできることだと思っています。

さらに、建築家が得意とするのは建築設計であることは言うまでもありませんが、私は建築家である前に一人の人間として、身の回りの環境には敏感でありたいと思っています。建築で「人」と「人」、「もの」と「もの」をつなげることによって、身の回りの環境や社会が少しでも良くなるようにと思っています。

2018年  春  海田修平