建築とつながること

建築とは、建物を作る行為のことを言いますが、カタカナでアーキテクチャーというと、建物だけでなく、ものを作る行為全般を設計することを言うようです。語源となるarchitecture=建築、を広義に捉えると、建築が建物を設計するだけでは留まらないことになります。したがって、建築家が建築をする人間という文字通りの意味であるとすると、建築家が活躍できる場所は多岐にわたることになります。

一方で、建築家は建築物ですら一人では建てる事ができません。少なくとも施主(建て主)と施工業者、建築家の三者がいないと建てられません。建築家はこの三者の共同プロジェクトをうまく進めていくことで初めて建物を作る事ができるのです。つまり、建築家に必要とされる能力は、建築物を設計する能力だけでなく、多くの人が関わるプロジェクトをうまく進めていく能力でもあるのです。

このように考えると、建築家が関わることのできるプロジェクトは建築物の建設だけではないということになります。建築と何かがつながったとき、アウトプットとしてのプロジェクトが建築物であったり、生活に関わるプロダクトであったり、インスタレーション作品であったり、街づくりのイベントであったりするのだと。

建築家が得意とするのは建築物であることは言うまでもありませんが、私は建築家である前に一人の人間として、身の回りの環境には敏感でありたいと思っています。自分が生活する家、その家がある街、さらには生まれ育った故郷、美味しい食べ物、美しい海や森など。それらについて日々の活動を発信していくことで多くの人々が身の回り環境について考える機会となれば、少しだけ社会が変わっていくのではないかと思っています。

2015年夏 海田修平