建築でつなげること

建築家は建築を一人では建てる事ができません。少なくとも施主(建て主)と施工業者建築家(設計者)の三者がいないと建物を建てられません。建築家はこの三者の共同プロジェクトをうまく進めていくことで初めて建物を作る事ができます。

建築家に必要とされる能力は、建築物を設計する能力だけでなく、多くの人が関わるプロジェクトをうまく進めていく能力だと思っています。このように考えると、建築家が関わることのできるプロジェクトは建築物の建設だけではないと思っています。これまでに、イベントの企画展覧会の会場構成などにも関わらせてもらいました。なんだかんだ言ってますが、要は建築設計以外のことにも関わりたいということなんです。

一方で建築は、無数の材料の集合体と考えることもできます。さまざまな材料をどのように組み合わせるのかを考えるのが設計で、誰も見たことがない材料を誰も見たことのない組み合わせ方を発見すれば、誰も見たことのない建築ができるわけです。

しかし最近は材料の成り立ちに興味があります。どんな人が作ったものなのか、それをどのように使えば良い空間を作ることができるのか、を考えています。

そう考えると、建築は人(作り手)と人(使い手)ものともの(さまざまな材料)つなげる媒体であると捉えることもできます。アウトプットとしての建築と考えることによって、たくさんの「人」と「もの」のつながりを作ることが建築家にできることだと思っています。

建築家が得意とするのは建築設計であることは言うまでもありませんが、私は建築家である前に一人の人間として、身の回りの環境には敏感でありたいと思っています。建築で「人」と「人」、「もの」と「もの」をつなげることによって、身の回りの環境や社会が少しでも良くなるようにと思っています。

2019年  初夏(改訂版)  海田修平