群馬県上野村で二つの改修プロジェクトが同時に進行していました。一つは、「森林科学館」をちびっこ広場「森っこ」にする改修で、もう一つが「郷土玩具館」を森林文化館「mori+」へ改修するプロジェクトでした。
建築的には展示のための下地をつくることと、老朽化した設備の更新でしたので、それほど手間がかかるものではなかったのですが、展示を担当してくださったSKGさんの展示内容が物凄い密度でした。
元の建物は木造の2階建てで、今回の改修は1階部分の2/3程度の部分を展示空間とするというプロジェクトでした。
建築としてできるだけシンプルな白い箱にした上で、それぞれのパートに別れた展示が点在するということを想定していたのですが、デザイナーさんから提案されたのは、壁一面をグラフィックシートで覆うというものでした。
これまでの経験で改修のポイントが壁であることは分かっていたのですが、元の建物からガラッと印象を変えるには、元の意匠を徹底的に削ぎ落とすか、逆に元の意匠とは全く異なるものを徹底的に使うかのどちらかだと思っていました。今回は前者だとなんとなく思っていたのですが、、、結果は後者でした。
文字情報だけだと埋まらなかったかもしれない壁面をイラストで埋めることにより圧倒的な変化を生み出しています。
グラフィックシートはイベントや店舗など仮設的なものや、設置される期間が短いものに使用されるもので、これまであまり縁がなかったのですが、ある程度耐久性のあるシートもあるようで、精度も高く驚きました。勉強になりますね。この経験は次に生かしたいと思いました。