柿渋染め

滋賀県のあるプロジェクトで、柿渋染の生地を使いたいと思って、滋賀県のおおまえさんを訪れました。残念ながら予算の関係で採用には至りませんでしたが。。。

三重県の伊賀や滋賀県の甲賀は忍者の里として有名なのですが、ちょっと調べてみると、伊賀忍者の装束は藍染、甲賀忍者の装束は柿渋染めだったという話がありましたので、柿渋染めを使いたいと思ったのです。

いろいろな風合いの麻や綿の生地を柿渋で染めたものを見せてもらいましたが、昔は、忍者装束というよりは、甲賀地方の人々が普通に着ていた服が柿渋染だったそうです。山を隔てて隣同士の伊賀と甲賀ですが、この辺りの土は鉄分が豊富だそうで、川の水で柿渋の服を洗うと柿渋の成分と鉄分が反応してだんだん色が濃くなって黒に近くなるそうです。藍染も同様に濃くなるそうです。これを日暮れの色という意味で暮染めと言ったそうです。

実際に染めている作業場も案内していただきました。琵琶湖にほど近い田んぼの真ん中に建っているビニールハウスが作業場になってました。

これが、柿渋の液体。表面になにやら浮いていますが、これが柿渋の樹脂で、まるでプラスチック片のようなパリパリの状態でした。脱プラスチックを救うのは柿渋?だったら素敵ですね。

柿渋に付けた生地をただ乾燥させるだけで染まるそうですが、乾燥具合が異なると色むらが出るそうなので、長い生地もできるだけ均一に乾燥できるように長いビニールハウスはうってつけというわけです。

柿渋染めは紫外線に弱いという弱点がありますが、天然染料には素晴らしい効能があるみたいなので、柿渋のジーンズとかあればカッコいいのにな。それと、脱プラスチックへの対応が世界中で叫ばれていますが、柿渋が救世主になったりしないかな?などと思った次第です。柿渋が世界を救う。なんてね。

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です