吉祥寺の駅から徒歩で10分ほどの閑静な住宅街に建つ住宅である。土地の最低面積が決められ、第1種高度地区、建ぺい率が40パーセントなどと、厳しい制限の中で最大のボリュームを確保が求められた。必然的に形態はシンプルになり、東側の道路に対して端正なファサードを作ることができた。
シンプルな形態に呼応するかのごとく、外壁の材料には中空セメント板のクリヤー仕上げを採用した。1階は撮影スタジオにもなるようなリビングとキッチン、2階はアトリエとなるような空間と寝室、と用途もシンプルで開放感のある内部空間を作ることができた。
玄関を入るといきなり天井の高い大きな空間に入り、階段が目に飛び込んでくる。正面に見えるこの階段を印象的なものとしたかったので、厚さ4.5mmの鉄板を片持ちで取り付けることにした。見た目に軽やかで、折り紙を折ったかのような印象の階段となった。
2階も天井の高い空間としたかったので、梁と束を現わしとした小屋裏のない天井とした。南側の高い位置に窓を設けたので、非常に明るい空間となった。