千葉県袖ケ浦市の住宅団地内にある築25年の木造住宅を、自閉症児を持つ家族のため、全面的にリノベーションした。
1階の和室だった部屋を洋室としてリビングと一体化するも、自閉症児のための空間とそれ以外の空間とに分けるため格子扉を設けた。調査時に天井裏を除くと木造の立派な梁が見られたため、1階部分には天井を貼らず、構造体を現しとして天井を高くした。。ダイニングはリビングと分けられ、食事の準備ができるまでは個室となるようにガラスの引戸を設けている。
この住宅の最も重要な部分は、2階の仕事場から子供の様子を確認するために設けられたリビング上部の吹抜けである。両親の自由な時間を増やすためにどうしても必要なものであったが、自閉症児にとっても登りがいのある楽しいものになった。階下の視認性を良くするため、床を穴の開いた足場板としている。
その他、ドアの把手や電気のコンセント、セキュリティーなどには気を遣って設計した。もちろん、想定できないこともあったが、在来木造であるからこそ、生活に合わせて改変していける自由度があるように思われる。
所在地:千葉県袖ケ浦市
主要用途:戸建住宅
規模:木造2階建て
施工:伊東建設興業株式会社